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【腰痛の本当の原因は?不良姿勢と体の使い方に注目】

「長時間座っているだけで腰が痛くなる」「何もしていないのに腰に違和感がある」――そんなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。腰痛の原因はさまざまですが、実は日常の姿勢や動きのクセが深く関係していることが分かっています。

私たちの身体は、立っているだけでも腰に一定の負担がかかっていますが、前かがみの姿勢になると腰椎には1.5〜2倍もの圧力がかかると言われています。さらに、立位よりも座位の方が腰への負担が大きくなることも研究で明らかになっており、長時間の座り姿勢や前かがみの作業は、腰椎に大きなストレスを与えてしまいます。

このような不良姿勢が続くと、椎間板には持続的な圧縮がかかり、血流が悪くなってうっ血が起こったり、靭帯や関節包が引き伸ばされたままになることで痛みを感じやすくなります。つまり、慢性的な腰痛の多くは、こうした悪い姿勢の「積み重ね」が原因なのです。

では、どうすれば腰痛は改善するのでしょうか?

まず大切なのは、腰痛の原因となる生活習慣へのアプローチです。
姿勢の悪さや体の使い方のクセは、日々の積み重ねで定着してしまうため、患者さん自身が「姿勢を整える意識」を持つことが重要です。そのためには、正しい姿勢や動作についての知識が不可欠です。
この辺りは、どんな生活をされているかで、変わってくるので詳しくは施術中に指導をさせていただいています。

また、腰の痛みが起こる背景には、腰まわりの可動性の低下や逆に動きすぎてしまう関節(過可動)が混在している場合があります。このバランスの崩れが、腰部への過剰な力学的ストレスとなり、痛みを引き起こしているのです。

可動域の制限がある部分には、筋・関節・神経・内臓・血管などに対して徒手療法(手技)を行い、動きを取り戻します。逆に、動きすぎる部位には運動療法を行い、安定性を高めていく必要があります。

具体的には、胸腰筋膜や梨状筋、大腿方形筋といった筋肉や、腰椎関節包、殿部の皮神経、さらには腎臓や腸間膜などの内臓、下大静脈といった血管にもアプローチします。これらの部位の状態を整えることで、腰痛の改善が期待できます。

さらに見逃せないのが「胸郭」と「股関節」の動きです。腰椎は構造的に回旋の動きが苦手で、屈曲や伸展に比べて動きが制限されています。そのため、本来は股関節や胸郭が回旋動作を担うべきなのですが、これらの可動域が低下していると、腰に余計な負担が集中してしまいます。

また、筋筋膜性の腰痛では、長時間の同一姿勢や中腰姿勢、反復動作によって筋肉が過度に緊張し、血行が悪くなって硬結(こり)ができることで痛みが生じます。このような状態には、血流を改善し、筋の緊張を和らげる施術が効果的です。

腰痛の改善には、「体を整える」だけでなく、「生活そのものを整える」ことが大切です。正しい姿勢や動作を身につけ、胸郭や股関節の柔軟性を高め、体幹の安定性を向上させることで、腰にかかる負担は大きく減らせます。

慢性腰痛に悩む方は、まずは日々の姿勢や生活動作を見直してみることをおすすめします。
そして、定期的に施術を受けることで、根本的な改善につながっていきます。

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