一見して関係ないように思う方もおられるかもしれませんが、
実はこの二つには、意外な共通点があります。
今回は、
当院でも施術を行ううえで意識している視点 も交えながら、
筋膜と東洋医学(経絡)の関係について書いていきたいと思います。
とはいえ、
「筋膜ってなに?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、筋膜について簡単にお話しします。
筋膜とは?
筋膜とは、
筋肉・骨・内臓・血管・神経など、体のあらゆる組織を包み、支え、つないでいる膜状の組織 です。
よく
「第二の骨格」
とも呼ばれ、
全身を一枚のボディースーツのように覆っています。
以前は、
「筋肉は一つ一つ独立して動く」
と考えられていました。
しかし2000年代に入り、
筋膜を通して全身が連動している
という考え方が、広く知られるようになってきました。
つまり、
・肩が痛い原因が、実は手や背中にある
・腰の不調が、足や首と関係している
こうした
「一見関係なさそうな場所同士のつながり」は、
筋膜の存在によって説明できるようになってきたのです。
経絡とは?
― 目に見えないけれど、確かに感じる通り道 ―
一方、東洋医学では、
ずっと昔から
「人の体はつながっている」
と考えられてきました。
その代表的な概念が、
経絡(けいらく) です。
経絡は、
古代中国で生まれた医学体系の中で、
ツボの刺激と身体の変化を、経験的に積み重ねて整理されたもの です。
身体には、たくさんのツボ(経穴)が存在しており、
そのツボ同士のつながりを線としてまとめたものが、経絡になります。
よく
「体内のエネルギー(気)の通り道」
と説明されますが、
正直なところ、実体は目に見えません。
そのため、
・なんだか怪しい
・科学的じゃない気がする
そう感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
ですが実際には、
足ツボや鍼灸によって、
肩こりや頭痛、内臓の不調が改善するケースも少なくありません。
目には見えないけれど、
確かに“何か”がつながっている。
それが経絡です。
なぜ、手のツボが肩や頭に効くのか?
たとえば、よく知られているツボに
人差し指と親指の間にある「合谷(ごうこく)」 があります。
合谷は、
肩こりや頭痛に効くツボとして有名です。
「なぜ手のツボが、肩や頭に効くの?」
不思議に思いますよね。
経絡の考え方では、
合谷は、肩や頭につながる経絡上にあるから
と説明されます。
では、筋膜の視点で見てみるとどうでしょうか。
実は、
指の筋肉は、筋膜を通して、手の甲・前腕・肩・首(僧帽筋)まで連続しています。
つまり合谷は、
肩や背中へと続く「筋膜のライン上」に位置している のです。
ここに刺激が入ることで、
ライン全体に影響が及び、
結果として肩や頭が楽になる。
経絡と筋膜。
説明の仕方は違いますが、
起きている現象は、とてもよく似ている のです。
経絡と筋膜は、別物?それとも同じ?
筋膜のつながりと、経絡の走行は、
完全に一致するわけではありません。
ですが、
多くの部分で
「重なる」「似ている」ラインが存在します。
そのため私は、
筋膜は、経絡を構成する“実体のひとつ”ではないか
と考えています。
昔の人たちは、
解剖学的に体を切り開くことはできませんでした。
それでも、
・ここを押すと、ここが楽になる
・ここを刺激すると、内臓の調子が変わる
そうした体感を、
長い年月をかけて積み重ね、
「経絡」という形で体系化していったのだと思います。
現代では、
その感覚的な地図を、
筋膜という構造が裏づけ始めている。
そんなふうにも見えてきます。
痛いところだけを見ない理由
当院では、
局所施術・部分施術・全体施術 と、
患者様のニーズに合わせて施術メニューを整えています。
局所施術では、
痛みのある部分を中心に施術を行います。
部分施術では、
痛みに関連した 筋膜ライン も含めて整えていきます。
さらに全体施術では、
身体全体のバランスから不調を捉え、
根本から整えていく施術を行っています。
それは、
痛む部位は「結果」であり、原因は別の場所にあることが多い
と考えているからです。
筋膜は、全身でつながっています。
そのため、
痛みのある場所に連なる
筋膜ライン全体を意識して整える ことで、
・筋肉のこわばりが取れ
・滑りが良くなり
・自然と動きやすい身体に戻っていく
という変化が起こります。
部分だけでなく、
全体のバランスから身体を整えること。
それが、
たいようの施術で大切にしている考え方です。



コメント