たいようブログ

筋膜の癒着は、なぜ起こるのか?

筋膜の癒着が起こる一番の原因は、**「炎症」**です。

炎症というと、
「悪いもの」「できれば起こってほしくないもの」
というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

ですが本来、炎症は
体が自分を治そうとするための自然な反応です。

たとえば、転んで膝をすりむいたとき。
赤く腫れて、熱をもってきますよね。

これは、体が
「ここが傷ついたよ」
「修復作業を始めるよ」
と知らせてくれているサインです。

つまり炎症は、
体からのSOSであり、同時に修理モードでもあるのです。


炎症が起こると、体の中では何が起きている?

体に炎症が起こると、
**「フィブリン」**という物質が分泌されます。

フィブリンは、
血液を固めたり、傷口をふさいだりする
線維状のタンパク質です。

皮膚を切ったときに出てくる、
透明で少し粘り気のある液体の中にも含まれていて、
かさぶたの材料にもなります。

このフィブリンは、
接着剤のような役割を持っています。

体の深部で炎症が起きると、
このフィブリンが筋肉・筋膜・腱・骨などの組織同士を
くっつけてしまうことがあります。

これが、いわゆる
**「筋膜の癒着」**です。

そしてこの癒着が、
・こり
・動かしにくさ
・痛み
の原因になっていきます。


筋膜の癒着が起こりやすい場面

① 外傷や大きなケガ

打ち身や捻挫、骨折、手術などでは、
患部に強い炎症が起こります。

筋肉だけでなく、
その周囲の筋膜も炎症を起こしやすく、
癒着が生じやすい状態になります。


② 使いすぎ(オーバーユース)

運動や仕事で筋肉を使いすぎても、炎症は起こります。

筋トレは、
筋繊維を一度壊し、再生させることで
筋肉を強く大きくするものですが、
この過程でも炎症は必ず起きています。

筋肉痛は、
まさに筋肉の炎症反応そのものです。


③ 同じ姿勢を続けること

実は、
激しい運動をしなくても炎症は起こります。

・長時間のデスクワーク
・スマホを見る姿勢で首が前に出たまま
・座りっぱなし、立ちっぱなし

こうした状態が続くと、
特定の筋肉に負担が集中します。

その部分が
酸欠状態になり、栄養も届きにくくなり、
細胞が傷つくことで炎症が起こります。

結果として、
**「デスクワーク由来の筋膜の癒着」**が起こりやすくなります。


④ 病気や体質による炎症

風邪をひいたときに熱が出るのも、
体内で炎症反応が起きているからです。

免疫細胞がウイルスと戦う過程で、
炎症物質が体内にばら撒かれ、
筋膜にも炎症が及ぶことがあります。

また、

・血糖値が高い
・血圧が高い
・糖尿病
・内臓疾患(肺・腸など)
・歯周病

こうした状態でも、
体の中では慢性的な炎症が起こりやすく、
筋膜の癒着が増える傾向があります。


⑤ ストレスによる炎症

ストレスも、見逃せない要因です。

ストレスが続くというのは、
体にとって「危機的な状態」が続いているということ。

自律神経が乱れ、
体の奥で小さな炎症が静かに広がっていきます。

「心の緊張が、体のこわばりをつくる」

これは、まさにこの現象です。


炎症は、特別なことではない

体を動かしすぎても、
ほとんど動かさなくても、
ストレスを感じるだけでも、炎症は起こります。

つまり、
生きていれば炎症は珍しいものではない
ということです。

小さなレベルでも筋膜炎は起こり、
誰もが筋膜の癒着リスクを抱えています。

そして、
炎症が慢性化するほど、
癒着のリスクは高まっていきます。


だからこそ、セルフケアが大切

毎日ストレッチをしたり、
適度に体を動かしたりすることで、
筋膜や筋肉は伸び縮みし、
癒着をある程度防ぐことができます。

とはいえ、
忙しい日常の中で
十分にケアできていない方も多いのではないでしょうか。

マッサージなど、
外側からのケアももちろん大切ですが、
毎日施術を受けるわけにはいきませんよね。

だからこそ、
自分自身で行うセルフケアがとても重要になります。

プロの施術とまったく同じことはできなくても、
ポイントを押さえて行えば、
筋膜の癒着をやさしくはがしていくことは可能です。


たいようの考える「参加型治療」

当院では、
施術を受けるだけでなく、
ご自身も回復に参加する治療を大切にしています。

施術 + セルフケア
この両輪がそろうことで、

・整った状態が持続し
・身体の回復力が正常に働き続け
・不調を改善しやすく
・不調が起こりにくい体へ

とつながっていきます。

「筋膜の癒着を防ぐ」
「症状が軽いうちに整える」

その積み重ねが、
動ける健康な身体づくりにつながっていきます。

コメント