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長時間労働による身体への負担と対策

当院で来院される方が多い疾患に、首肩・腰・膝の痛みがありますが、その中でも、働き盛りに多いのが長時間労働による身体への負担によって起こる不調は多いです。
今回は、長時間労働による身体への負担と、対策に関して記載させていただきました。

長時間労働とは

「長時間労働」や「過重労働」とは、どれくらいの時間働くことかというと、実はまだ、明確に決まっているわけではありません。
しかし、労災認定基準のもとになる医学的検討の結果では、時間外労働や休日労働が月45時間を超えた場合、労働時間が長くなるにつれて健康障害のリスクが高くなると言われています。
さらに、月に100時間超、または2~6か月間の平均が月80時間超の場合は、脳・心臓疾患の発症と業務との関連が強くなることが医学的に確認されています。
これがいわゆる「過労死ライン」と呼ばれるものになります。
ただし、ここで注意しておかなくてはいけないのが、労働時間の長さで必ずしも決まるわけではなく、どのような業務内容なのか?などを含めた、総合的な判断が必要となります。

長時間労働を避けることが1番の対策ではありますが、さまざまな事情により、長時間労働を避けることができない場合もあります。

当院では、そういう状況におかれた方が、少しでも健康な状態を維持できるよう、日々のセルフケアから、定期的なケアを勧めています。



アクティブレストのすすめ

まず、アクティブレストとは、疲労時にあえて軽く体を動かすことで血流を改善させ、疲労物質を効率的に排出させる休養方法です。
疲れているんだから、ゆっくり体を休ませて、家でゴロゴロしたい・・・という人も多いとおもいます。しかし、長時間労働によって引き起こされる症状として、血流障害があります。

デスクワークの場合は、ほとんど体を動かさずに長時間同じ姿勢になります。そうすることによって、血流が悪くなり、痛みの物質が発生しやすくなり、肩の痛みや腰の痛みが引き起こされます。痛みを我慢していると、交感神経が緊張し、運動神経も興奮するため、血管が収縮し、筋肉も緊張するため、より血行は悪くなり、痛みの物質も多く発生するようになります。

畑で体を動かしているよ〜肉体労働で体を動かしているよ〜という方も同様です。過度に筋肉を動かし続けることによって、疲労は蓄積し、筋肉も緊張するため、血行は悪くなります。
アクティブレストは、元々スポーツ選手が翌日まで疲れを残さないために生まれた疲労回復法なので、体を動かしすぎた人にも有効です。たとえば、運動後に軽く体を動かすクールダウンもアクティブレストのひとつになります。
疲労の蓄積予防だけでなく、新陳代謝を促進して体をリフレッシュさせたり、リラックス効果も期待できるので、家で体を動かさずゆっくり過ごすような消極的休養(パッシブレスト)も大切ではありますが、あえて体を動かし血流をよくするアクティブレストの方がおすすめです。

アクティブレストの方法

アクティブレストを実践する際のコツは、息が上がるほどのハードではなく、気軽に続けられ、心地良いと感じるような運動になります。
きついと感じるほどの運動は、逆にストレスとなり、疲労がさらに溜まってしまう可能性があります。なので、程良く体が温まり、心身ともに心地良さを感じられる程度の運動ぐらいがちょうどいいのです。

具体的なアクティブレストとして、以下のようなものがあります。

ウォーキング

特に長時間のデスクワークをされている方に、おすすめです。腕を大きく降って、大股で少し速歩き。目安として、仕事終わりに20分のウォーキングがベストです。

階段を上る

エスカレーターやエレベーターではなく、あえて階段を上るのもいいアクティブレストになります。習慣にすれば、体力も付き、疲れにくい体にもなります。

お風呂に入る

仕事終わりの一杯のビールではなく、お風呂がおすすめです。水圧で血流が促され、温熱効果で血管も緩むので疲労回復に効果的。お風呂の中で、軽く肩を動かしたり、腰を捻ったりと体を動かすとより、筋肉もほぐれやすくなります。とはいっても、お風呂は滑りやすいので気をつけながらやってください。

ストレッチ

筋肉や関節を、ゆっくりじっくり伸ばしていきましょう。ストレッチを行う際は、軽く、痛気持ちいいな〜というぐらいの強さで、反動をつけずにゆっくり伸ばすようにしてください。

そのあとは、パッシブレストで、ゆっくり睡眠をとることで、より体は回復しやすくなります。

水分摂取のすすめ

長時間労働をされている方で、労働中は食事以外、水分をまったく取らないという方も、よくおられ、さらには食事でも、水分の少ない食事を取られているケースも多く、実は、長時間労働限らず、労働者の約9割が「水」不足というデータもあります。水分は、体重の50~60%を占める体の主要な構成成分で、体内の水分が2%失われると運動能力が低下するとも言われています。
体内の3%失われると、脱水症とも言われ、強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこり、4~5%になると、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状があらわれます。 そして、10%以上になると、死にいたることもあります。
さらに、体内の水分が不足すると、血流も悪くなったり、筋肉が硬くなりやすくなるため、より肩こりや腰痛などの体の痛みも起こりやすくなります。
脱水状態は集中力がなくなる、疲れやすいなどの影響を及ぼすため、作業効率の低下につながるため、どちらにしろ、こまめに水分を取ることをおすすめします。

 成人が1日を過ごすのに必要な水分は約2.5リットルと言われており、食事から 1リットル、体内で作られる水は、0.3リットル、飲み物から1.2リットルが目安になります。夏はもっと必要になります。



当院でのケアもおすすめ

アクティブレストや、水分摂取以外にも、栄養や、質の高い睡眠を取るなどもありますが、当院での定期的なケアもおすすめです。
自分でケアをすることも大切ですが、やはりセルフケアでは限界があるのも事実です。
それを補うのが、当院のケアの役割になります。
徒手療法で、筋肉を緩め、ストレッチで、セルフストレッチでは伸ばせれない範囲まで筋肉を伸ばすことによって、血流改善や筋肉の緊張を緩めます。さらに関節の可動域も広がるため、動かしやすい体作りまで可能になります。また、偏ったバランスも整うことができます。
定期的にケアをすることによって、疲れにくい体づくりにもなります。

長時間労働による体の負担は、腰痛や肩痛といった、肉体的な症状だけでなく、血行が悪くなることによって引き起こされる、心臓・血管系の疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症など)も、長時間労働でなることはデータで示されています。

早いうちから対策を行うことで、これらのリスクを予防することができます。健康な体を維持するためにも、今から始めていきましょう!


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