たいようブログ東洋医学

鍼灸の「ひびき」ってなに?

鍼灸の「ひびき」ってなに?鍼灸(しんきゅう)と聞くと、
「痛そう…」「注射みたいで怖い」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。

実際に鍼を受けたことがある人からは、
「全然痛くなかったよ」「むしろ気持ちよかった!」
という声も聞かれます。

この違いの理由は「ひびき」という独特の感覚にあります。


「ひびき」とはどんなもの?

鍼を体に刺したときに感じる、ズーンとした重さや、ジーンとした響き。
これが「鍼のひびき」です。

注射のような「チクッ」とした鋭い痛みとは全く別で、
多くの方が「ちょっと変な感じ」「キモちいい痛み」と表現します。

実はこの「ひびき」こそ、鍼の効果が発揮されるサインなんです。


ひびきが起こると何がいいの?

筋肉が疲れて硬くなっていると、その部分には「硬結(こうけつ)」と呼ばれるコリの塊ができます。
ひびきは、その硬結に鍼が届いた時に起こります。

つまり、
「ひびきがある=硬くなった筋肉に当たった」
「ひびきがある=その硬さがゆるみ、血流がよくなる」

この流れで、痛みの改善や回復力アップにつながっていくんです。


生理学的にみると?

人の体には「鋭い痛み(激痛)」と「鈍い痛み(鈍痛)」の2種類があります。

鍼灸では、このうち「鈍痛」のルートを利用します。
ズーンとした「ひびき」の感覚は、脳に届くと反射的に筋肉をゆるめ、血流を改善し、治癒を促す仕組みを持っています。

つまり、鍼はただ刺しているのではなく、
「体の深部にあるスイッチを押して回復を助けている」
そんなイメージです。


実際の臨床では…

私はこの理論を理解しているので、例えば

  • 肉離れで治りが悪い人 → 深部の硬結を解除するために鍼を使う
  • ぎっくり腰で動けない人 → 過剰な筋肉の緊張を緩める
  • 慢性的に治らない人 → 血流を妨げる深部のコリを取り除く

といった場面で活用しています。

実際に、ひびきが出てコリがゆるむと、症状が改善するスピードが変わってくるのです。


まとめ

鍼灸は「痛そう」というイメージが強いかもしれませんが、
実際は「体の奥にあるスイッチを押して、回復を後押しする」治療法です。

そのカギになるのが「ひびき」。

もし「鍼ってどうなんだろう?」と迷っている方は、
この「ひびき」の仕組みを知って、ちょっと興味を持ってもらえたら嬉しいです。

あなたの身体の深部にある硬さをゆるめ、自然治癒力を引き出すお手伝いができるかもしれません。

コメント