上肢症状一覧

上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)

・肩の前側を押すと痛みがある
・寝ている時に痛みが出る
・肩が抜けるような感じでしびれが出る
・投げ終わった後しばらく痛む
・ボールが指先から離れる瞬間、投げる瞬間が痛い
・腕を外側から上げると痛む
・腕を外側へねじると痛む
・肘を曲げると痛む
こんな症状をお持ちの方。もしかすると上腕二頭筋長頭腱炎かもしれません

上腕二頭筋長頭腱炎とは、上腕二頭筋(力こぶの筋肉)が、肩関節の前方で摩擦を原因とした炎症を起こす病態です。オーバーヘッドスポーツをされるアスリート、トレーニングが好きな方、重労働をされる方に多く見られます。腕を上げようとしたり、荷物を持ち上げようと力を入れた際に痛みが出現します。病態が進行すると、腱の断裂を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

一般的な治療期間

スポーツで受傷することもありますが、日常生活において徐々に痛みが発症する場合もあります。また、症状改善においても6週から2年と程度によって様々な報告がされています。

肩関節の機能と解剖・痛みの原因

上腕二頭筋とは腕の前面にある筋肉で一般的に言う「力こぶ」の筋肉です。この筋肉は名前の通り二頭になっており、肩甲骨から始まり、前腕(肘と手首の間の骨)の橈骨に付着します。二頭のうち一側は長く、これを長頭と呼びます。

上腕二頭筋長頭は上腕骨の結節間溝と横上腕靭帯からなるトンネルを通り、肩甲骨に付着するのですが、このトンネル内で摩擦が加ることで、炎症が生じます。オーバーヘッドスポーツなどによる度重なるストレスや、肩関節の安定性に寄与する回旋筋腱板の機能不全などが影響し、症状が発症すると考えられています。

オーバーヘッドスポーツとは??
球技でボールを打つ際に打点が頭より高いことをオーバーヘッドといいます。オーバーヘッド動作はテニスやバレー、野球で多いです。

日常生活における注意事項

一般的に、痛みが強い時期の治療としては、薬物療法などで痛みを抑えることが優先されます。痛み止 めの飲み薬や湿布薬などもありますが、夜間痛を伴う強い痛みに対しては、注射による治療が行われま す。また、症状出現初期には、痛みの強い動作は症状悪化の危険性があります。この時期には、肩関節周辺の筋肉・関節を柔らかくするためのエクササイズが効果的になります。



当院での治療

当院では、症状出現初期には、炎症除去を目的として、電気施術や、徒手療法及びストレッチをおこなっていきます。また、はり治療も有効なので、鍼灸治療もおこなったり、テーピングにて、組織の安静を促します。症状が軽減してくると、血流改善や、肩関節の動きをよくするストレッチを行い、予防も含めた治療を行ってまいります。

症状改善に必要な体操

上腕二頭筋への負担を減らすためには、肩甲骨の動きを良くすること、インナーマッスルの働きを良くすることが重要となります。急性期の痛みが改善された後に徐々にエクササイズを開始していきましょう。

予防のすすめ

上腕二頭筋長頭腱炎は、使い過ぎなどによるストレスや、肩関節の不安定性によって起こることが多いので、そういった不調が起こらないようにすることが大切です。そのためには、日々の疲労が蓄積しないように疲労回復を行ったり、筋力バランス、筋肉の柔軟性、関節の可動性を整えるようにしていきましょう。
当院でも、疲労回復ケアとして、コンディショニングケアを行なっております。定期的な全身のバランスを整えることをお勧めします。


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