スポーツをやっている小中学生の子供さんの中で、
・スポーツをしていると膝が痛い。でも休むと治る。
・膝のお皿の下骨が出っ張ってきた(腫れてきた)。
もしかして、それは成長期のスポーツ少年・少女に多い「オスグッド・シュラッター病」かもしれません。
オスグッド・シュラッター病とは、小中学生男子に多い成長期特有の病気で、 脚の使い過ぎによって、すねの骨の最上部の骨と軟骨に痛みを伴い炎症が起こります。 典型的な症状としては、膝の痛み、腫れ、圧痛と、下腿骨上部の骨の出っ張りなどがあります。
思い当たる怪我がない「子供の膝の痛み」というと、しばらくすれば治る“成長痛”と思われる方も多いかもしれません。しかし、オスグッド・シュラッター病は進行性のスポーツ障害なので、痛み・腫れの放置は長期の運動休止や外科的な治療が必要となる可能性があるので、早期対応が大事な疾患になります。
一般的な治療期間
適切なリハビリを実施すれば 90%が 4〜6週間で、スポーツ活動が行えます。しかし、重症例ではスポーツ復帰に数ヶ月の期間を要す場合もあります。また、 患者の10%は、成人になってからも症状が継続する場合もあります。
膝関節の機能と解剖・痛みの原因
膝関節とは、大腿骨と下腿骨の 2 つの骨が接する部分の関節です。また、膝関節の上部には膝のお皿(膝 蓋骨)があります。膝を伸ばす際には、膝蓋骨と脛骨最上部(脛骨粗面)に付着している腱が収縮することによって運動が行われます。
オスグッド・シュラッター病の原因は、スポーツなどにより膝蓋骨の腱が脛骨粗面につながる部分で繰り返し強く引っ張られることだと考えられています。
日常生活における注意事項
治療期間にスポーツ活動を休止し、安静にすることで症状改善が早まったという報告は、実はありません。完全安静ではなく、痛みの程度に応じて運動量を制限することが推奨されます。とは言っても、歩けないほどの痛みがある場合は安静の必要性がありますし、ついつい痛いのに我慢して運動を行ってしまう可能性があるため、当院では、なるべく休んでいただくようにお願いしております。
また、運動後は腫れ・熱感などの炎症所見が見られる場合がありますので、しっかりとアイシングを行 いましょう。
当院での施術
オスグッド・シュラッター病は、初期の段階で発見・治療開始することが、結果、早期回復につながり、スポーツの本格復帰が早くなります。
腫れや熱感などの炎症所見が見られる場合は、当院ではアイシングを行います。お皿の下の骨や、その周辺を氷で冷やします。
当院では主に、炎症を除去する特殊電気を用いたり、微弱電流による組織の活性化を行っていきます。また、体の硬さも原因で、ストレッチを行い、柔軟性を作っていきます。ストレッチを行うことで、今後の予防にもつながります。また、症状がひどいケースでは、鍼灸治療も行っていきます。
症状改善に必要な体操
膝前面の筋肉が硬くなり、脛骨粗面部にストレスを加えることが痛みの原因となります。なので膝前面筋をしっかりと柔らかくしましょう。また、それと同時に姿勢不良の原因となる筋肉を柔らかくすることも重要となります。
これらの疾患は、日々のケアを行うことで、予防が可能なので、体が硬い子供さんは、コンディショニングケアがおすすめです。また、当院でもセルフストレッチ指導を行なっているので、ご相談ください。
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