たいよう日記

腰痛と姿勢・動作の関係|デスクワークや畑仕事で腰に負担がかかる理由

普段、どのような姿勢で過ごしていますか?

長時間椅子に座っていたり、前かがみで作業をしたり、重い物を持ったりしていませんか?

三次市・庄原市では、畑仕事で長時間しゃがみながら草取りをする方も多いと思います。

私自身も畑作業をしますが、しゃがんだ姿勢で草取りを続けていると、だんだん腰が重くなり、負担がたまってくるのを感じます。

結論からいうと、腰痛対策で大切なのは、完璧な姿勢を保ち続けることではありません。

同じ姿勢や同じ動作を長時間続けず、身体をこまめに動かすことが大切です。

今回は、姿勢や動作によって腰への負担がどのように変わるのか、デスクワークや畑仕事では何に気をつければよいのかを解説します。

姿勢や動作によって腰への負担は変わる

実は、普段の姿勢や動作によって、腰の椎間板にかかる圧力が変化することが研究で確認されています。

まっすぐ立った状態を100%として比較した研究では、次の数値が報告されています。

  • 仰向けに寝る:約20%
  • 力を抜いて座る:約90%
  • 背筋を意識して伸ばして座る:約110%
  • 歩く:最大約130%
  • 上半身を前へ倒す:最大約216%
  • 約20kgの荷物を胸の近くで持つ:約220%
  • 同じ荷物を胸から60cm離して持つ:約360%
  • 約20kgの荷物を持ち上げる動作:最大約460%

特に注目したいのは、荷物の重さだけでなく、前かがみになる角度や、荷物と身体との距離によっても腰への負担が変わることです。

同じ荷物でも、身体の近くで持つ場合と、腕を伸ばして身体から離して持つ場合では、腰にかかる力が異なります。

ただし、これらの数字は「腰痛になる確率」ではありません。

腰の椎間板内にかかる圧力を測定した数値であり、負荷の高い動作を一度しただけで、必ず腰痛になるという意味ではありません。

また、この測定には被験者が1人だったという限界があります。体格や身体の使い方、筋力、柔軟性などによって、実際の負荷は一人ひとり異なります。

数字は、姿勢や動作によって腰への力学的な負荷が変わることを理解するための目安として考えましょう。

腰痛は「姿勢が悪いから」だけではない

「猫背だから腰が痛い」

「骨盤がゆがんでいるから腰痛になった」

このように、腰痛の原因を姿勢だけで考えてしまうことがあります。

しかし、腰痛には次のような複数の要因が関係します。

  • 長時間の座りっぱなし
  • 前かがみや中腰での作業
  • 同じ動作の繰り返し
  • 運動不足
  • 筋力や柔軟性
  • 仕事や家事による疲労
  • 睡眠不足
  • ストレスや腰痛への不安
  • 過去のケガや腰痛の経験

通常は、日常生活で腰に負荷がかかっても、筋肉や関節が対応し、その後の睡眠や休養によって回復しています。

しかし、疲労がたまっているときや、同じ姿勢・動作を長時間繰り返しているときは、普段なら問題にならない負荷でも、腰の痛みや重だるさにつながることがあります。

WHOも慢性腰痛について、身体的な要因だけでなく、心理面や生活環境なども考慮し、その人の状態に合わせて対応することが必要だとしています。

大切なのは、見た目の姿勢だけを直すことではありません。

どのような姿勢や動作を、どのくらい繰り返しているのかを確認することが重要です。

座っている方が立っているより腰に負担がかかる?

以前の研究では、背もたれを使わずに座ると、立っているときよりも椎間板内圧が約40%高くなると報告されていました。

一方、1990年代以降の測定では、座位と立位で椎間板内圧に大きな差がみられないという結果も報告されています。

2022年3月20日に公表された系統的レビュー・メタ解析では、研究全体では座位の方が高い傾向が示されましたが、1990年以降に行われた研究だけを見ると、座位と立位の明確な違いは確認されませんでした。

そのため、現在の研究から「座ること自体が、立つことより必ず腰に悪い」とまでは言い切れません。

問題になりやすいのは、座ることそのものよりも、身体を動かさずに同じ座り方を長時間続けることです。

デスクワーク中は、理想的な姿勢を固めようとするよりも、ときどき背もたれを使ったり、座り方を変えたり、立ち上がったりして、身体を動かしましょう。

畑仕事での草取りが腰に来る理由

畑で長時間しゃがみながら草を取る姿勢は、腰だけでなく、股関節・膝・足首にも負担がたまりやすい姿勢です。

ただし、草取り姿勢について「立位の何%の負担になる」という信頼できる数値は確認できません。

それでも、長時間の草取りが腰に来る理由は、身体の仕組みから説明できます。

腰と背中の筋肉が休みにくい

しゃがんで地面の草を取るときは、頭と上半身が前へ傾きます。

身体が前へ倒れないように、腰や背中の筋肉は姿勢を支え続けます。

一回の動作は小さくても、同じ状態を長く続けることで筋肉が疲労し、腰の張りや重だるさにつながります。

腰が丸まった状態が続く

深くしゃがむためには、股関節・膝・足首を大きく曲げる必要があります。

特に股関節や足首が硬い人は、動きの不足を腰や骨盤で補うため、腰が大きく丸まりやすくなります。

その状態で前へ手を伸ばすと、腰が丸まった状態に、上半身の重さが加わります。

2018年に公表された研究では、30分間しゃがみ姿勢を続けることで、腰椎と骨盤の動き方や、腰まわりの筋肉の使い方に変化が生じることが報告されています。

草を引き抜くときに力が加わる

草取りは、ただしゃがんでいるだけではありません。

  • 腕を前へ伸ばす
  • 草を握る
  • 地面から引き抜く
  • 身体を左右へひねる
  • 取った草を横へ置く

これらの動作を何度も繰り返します。

身体から離れた位置にある草を、腰を丸めたまま引き抜くと、上半身の重さに草を引っ張る力が加わります。

根の強い草が急に抜けたときは、身体が後ろへ動くこともあり、腰にかかる力が急に変化します。

膝や足首が疲れると腰へ負担が集まる

深くしゃがむと、膝や足首にも大きな曲げ角度が必要です。

作業を続けて膝や足首が疲れてくると、姿勢を支えにくくなります。

その結果、腰をさらに丸めたり、片側へ体重を逃がしたりして、作業の後半になるほど腰へ負担が集中することがあります。

私自身が「最初は大丈夫でも、続けているうちに腰に来る」と感じるのも、このように筋肉や関節の疲労が積み重なっている可能性があります。

畑仕事で腰への負担を減らす5つの工夫

1.同じ姿勢を続けない

両足でしゃがむ姿勢だけで作業を続けず、次の姿勢を使い分けましょう。

  • 両足でしゃがむ
  • 片膝を地面につく
  • 両膝をつく
  • 低い作業椅子に座る
  • 立って使える道具に替える

姿勢を変えることで、腰・股関節・膝・足首の同じ場所だけに負担が集中するのを防ぎます。

2.身体の近くにある草から取る

腕だけを遠くへ伸ばさず、自分の身体の近くにある草から取ります。

「少し先まで届くから」と腕を伸ばすほど、上半身が前へ傾き、腰への負担が増えやすくなります。

狭い範囲の草を取ったら、足や膝の位置を動かしましょう。

3.ときどき立ち上がる

「腰が痛くなったら立つ」のではなく、腰の張りや重さが強くなる前に、いったん立ち上がりましょう。

何分ごとに立てば安全かという医学的に確立した時間は確認できません。

時間を一律に決めるよりも、腰・膝・足首の疲労を感じる前に姿勢を変えることが大切です。

4.長い柄の道具を使う

長い柄の草削りや除草器具を使うと、深くしゃがむ時間や前かがみになる時間を減らせます。

手で草を抜く作業と、立って道具を使う作業を交互に行うと、自然に姿勢を変えることができます。

5.作業後に軽く身体を動かす

作業後に腰を強く反らしたり、無理にひねったりする必要はありません。

まずは少し歩く、股関節をゆっくり伸ばす、深呼吸をしながら背中を動かすなど、気持ちよくできる範囲で身体を動かしましょう。

痛みを我慢して強いストレッチを行うのは避けてください。

セルフケアとプロケアで腰痛予防

日頃の腰痛対策では、自分で行うセルフケアが基本です。

  • 無理のない範囲で身体を動かす
  • ウォーキングなどの有酸素運動を行う
  • 股関節や背中をストレッチする
  • 腰まわりを支える筋力をつける
  • 十分な睡眠と休養をとる
  • 同じ姿勢や動作を長時間続けない

しかし、身体が硬くなっている人や、腰痛を繰り返している人は、自分でストレッチや運動をしても、狙った部分をうまく動かせないことがあります。

例えば、股関節が硬いために腰を必要以上に動かしたり、痛い部分をかばうことで、別の場所へ負担をかけたりする「代償動作」が起きている場合です。

そのようなときは、セルフケアだけで無理に解決しようとせず、身体の状態を専門家に確認してもらうことも大切です。

整骨鍼灸院たいようでは、次のような点を確認します。

  • 痛みが出る姿勢や動作
  • 腰・骨盤・股関節の動き
  • 筋肉や筋膜の緊張
  • 身体の左右差
  • 立ち方や歩き方
  • 仕事や畑仕事での身体の使い方
  • 睡眠・疲労・ストレスなどの状態

そのうえで、身体の状態に合わせた施術や運動をご提案します。

まとめ|負担をなくすのではなく、負担に対応できる身体へ

日常生活の中で、腰への負担を完全になくすことはできません。

座る、立つ、歩く、前かがみになる、荷物を持つ、畑で草を取るといった動作は、どれも生活に必要な動きです。

大切なのは、特定の姿勢を「悪い姿勢」と決めつけることではありません。

  • 同じ姿勢を長時間続けない
  • 身体から離れた位置で作業しない
  • 腰だけでなく股関節や膝も使う
  • 疲労が強くなる前に姿勢を変える
  • 運動・睡眠・休養で回復できる状態をつくる

セルフケアと専門家によるケアを上手に組み合わせながら、腰にまったく負担がかからない身体ではなく、**日常生活の負荷に対応し、きちんと回復できる「動ける健康な身体」**をつくっていきましょう。

三次市・庄原市で、デスクワークや畑仕事による腰痛、繰り返す腰痛にお悩みの方は、整骨鍼灸院たいようの腰痛ページもご覧ください。

腰のお悩みも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

金本 尚也(かねもと なおや)

治療家・メンタルトレーナー・予祝講師
柔道整復師・はり師・きゅう師

広島県三次市の「整骨鍼灸院たいよう」で、身体の痛みや不調に向き合いながら、**「動ける健康な身体づくり」**を軸とした施術を行っています。

身体の痛い部分だけを見るのではなく、筋肉や関節の動き、姿勢、日常生活での身体の使い方、睡眠、疲労、ストレスなども含め、身体全体の状態を確認することを大切にしています。

人生の目的は、

「体・心・場を整えて、夢を叶える人生づくり」

身体が整うことで、やりたいことに挑戦できる。
心が整うことで、自分らしい一歩を踏み出せる。
そして、家庭や職場、地域などの「場」が整うことで、人と人との良いつながりが生まれる。

そのような人生づくりを目指し、治療家としての活動に加えて、メンタルトレーナー・予祝講師として、心を整え、夢や目標の実現を後押しする活動も行っています。

また、自身も農業に取り組み、罠猟の狩猟免許を取得しています。

健康やメンタルについて学ぶだけでなく、農作業や地域での暮らしを自ら経験することで、日常生活の中で本当に役立つ身体の使い方や健康づくりをお伝えしています。

身体と心の両面から、一人ひとりが元気に動き、自分のやりたいことや夢を実現できる人生をサポートしていきます。

【保有資格・活動】

  • 柔道整復師
  • はり師
  • きゅう師
  • メンタルトレーナー
  • マインドフルネス
  • 心理カウンセリング
  • 予祝講師
  • 狩猟免許(わな猟)

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